調査・質問内容

質問番号 0010005756
状態 受付済
質問日 2020/08/10

認知症の人が書いた文字の特徴が分かる本(実例が分かる本)を探している。認知症のタイプ別に分かればよいが、アルツハイマー型のみでも構わない。
一般の人が読む認知症の本にはあまり掲載されていないようだ。専門的な資料を探して欲しい。

図書館からの回答

回答状態 公開済
公開日 2021/12/16
関連質問番号

1 都立図書館所蔵資料
認知症<493.75>の書架を近年発行された専門的なものを中心に調査した。また、都立図書館蔵書検索をキーワード<認知症><書字><書字障害>で調査したが、質問に合致する資料は見出せなかった。

2 論文
以下のデータベースをキーワード<認知症><アルツハイマー><書字><書字障害>で検索したところ、関連する論文がヒットした。そのうち、全文閲覧可能で書字の実例が掲載されている資料を中心に紹介した。(最初に<認知症><アルツハイマー><文字>で検索してヒットした論文の中に情報1あり。情報1より<書字><書字障害>のキーワードを得た。)
(最終検索日:2021年10月20日)

・調査に使用したデータベース
「CiNii Articles」(国立情報学研究所)
https://ci.nii.ac.jp/ja
「J-STAGE」(科学技術振興機構)
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/
「医中誌Web」(医学中央雑誌刊行会)当館契約データベース

以下の論文の最終アクセス日は2021年10月20日。
情報1
『高次脳機能研究』24巻4号(2004年)日本高次脳機能障害学会
p.360-367「最軽度アルツハイマー病患者の自由書字 : 地域在住高齢者のMMSEによる検討」赤沼恭子[ほか]
https://doi.org/10.2496/hbfr.24.360
p.362「図1 形態の誤りと綴りの誤りの例」に実例あり。

情報2
『日本心理学会大会発表論文集』72回 日本心理学会
p.737「初期アルツハイマー病における書字障害の特徴」林敦子
https://doi.org/10.4992/pacjpa.72.0_3AM125
書字の実例は掲載されていないが、書字障害の特徴が簡潔にまとまっている。

情報3
『高次脳機能研究』28巻4号(2008年)日本高次脳機能障害学会
p.392-403「アルツハイマー病に出現した漢字の選択的失書について」斎藤文恵[ほか]
https://doi.org/10.2496/hbfr.28.392
p.396「図4 SLTA:漢字の自発書字、まんがの説明」、「図5 写字」に実例あり。

情報4
『金沢大学つるま保健学会誌』 37巻2号(2013年)金沢大学つるま保健学会
p.35-43「アルツハイマー型認知症者の書字障害の特徴と評価法」酒野直樹[ほか]
http://hdl.handle.net/2297/36531
英語論文(実例は日本語)
p.39「Figure1. Writing by AD patients」、「Figure2. Writing by healthy elderly individuals」にアルツハイマー病患者と健常な高齢者の書字の実例が掲載されている。

情報5
『高次脳機能研究』37巻1号(2017年)日本高次脳機能障害学会
p.15-22「字形想起障害による漢字の純粋失書を認め, 皮質基底核症候群を呈したアルツハイマー病の1例」鐘本英輝[ほか]
https://doi.org/10.2496/hbfr.37.15
p.17-18「図2 書字課題の結果」、「図3 漢字の書き取りでの錯書」に実例あり。

アルツハイマー型以外の認知症については、以下の論文がある。

情報6
『心身科学:愛知学院大学心身科学研究所紀要』 9巻1号(2017年)愛知学院大学心身科学研究所
p.19-30「非アルツハイマー型認知症における書字障害に関する検討 前頭側頭型認知症を中心に」下村唯[ほか]http://instpsph.agu.ac.jp/bulletin/2013_56c6b5ab3051f_5b42e458d50a7/index.html
p.24「図4 書字障害の例」に実例あり。

転記用URL

https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/reference/search-detail.do?qesid=0010005756&lang=ja

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