新聞の読書欄に出ていた『日本疫病図説』（畑中章宏著、笠間書院、2021.5）掲載の国芳の絵で、都立中央図書館特別文庫室所蔵となっている錦絵の原画を見たい。記事では「為朝と疱瘡神」という題名だった。新聞名は忘れた。

都立図書館の画像データベース「TOKYOアーカイブ」で公開している『「鎮西八郎為朝」「疱瘡神」』（特別文庫室請求記号：778-C18）（資料1）がお探しの錦絵だった。質問者には特別文庫室の利用方法及び「TOKYOアーカイブ」の検索方法や画像ダウンロードの利用方法も案内した。

＜調査経過＞
○特別文庫室所蔵の画像資料の検索
「TOKYOアーカイブ」のカテゴリー「浮世絵」を＜為朝と疱瘡神＞で検索したが、ヒットしない。＜為朝　疱瘡神＞で検索すると、よく利用される『「鎮西八郎為朝」「疱瘡神」』（資料1）が1件ヒットする。
○絵が掲載された新聞記事の検索
この絵で間違いないか、『日本疫病図説』を確認しようとしたが、調査時点では掲載書がまだ準備中だったため、質問者が見たという新聞記事を調査した。『日本疫病図説』の書誌データに2021年6月6日の『読売新聞』に書評掲載とあるので、都立図書館契約データベース「ヨミダス歴史館」を＜日本疫病図説＞で検索。記事本文PDFを確認すると、書籍内で紹介されている錦絵の画像が掲載されていたが、質問された絵ではなく、本の表紙にもなっている歌川芳艶画「はしかのまもり」（国際日本文化研究センター所蔵）だった。
次に、全国の地方紙などを横断検索できる都立図書館契約データベース「ELDB」を＜日本疫病図説＞で検索したところ、8件ヒットした。上記『読売新聞』および本文が提供されていない『神戸新聞』を除く6件の内容を確認すると、『北海道新聞』2021年7月4日および『西日本新聞』2021年7月17日の記事に「一勇斎国芳作の『為朝と疱瘡神（鎮西八郎為朝　疱瘡神）』＝図（東京都立中央図書館特別文庫室所蔵）」とあった（いずれもテキストデータなので画像掲載なし）。
○新聞原紙で記事掲載の図版を確認
『北海道新聞』原紙（新聞記事1）、『西日本新聞』原紙（新聞記事2）で当該年月日を確認すると、『北海道新聞』「読書ナビ」面および『西日本新聞』「くらし」面に図版付きの記事があり、資料1の絵で間違いないことが確認できた。

【調査したデータベース】（最終検索年月日：2023年1月24日）
・ヨミダス歴史館（読売新聞社）
・ELDB（エレクトロニック・ライブラリー）

【新聞記事1】『北海道新聞』2021年7月4日　朝刊11面「読書ナビ」
【新聞記事2】『西日本新聞』2021年7月17日　朝刊9面「読書館　ビジュアル本」