事例詳細
調査・質問内容
質問番号 | 0010006344 |
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状態 | 受付済 |
質問日 | 2022/05/30 |
新聞を批判的に読む方法に関する、高校生向けの本はないか。大学生向けや一般向けの本でも読みやすいものがあればそれでもよい。
図書館からの回答
回答状態 | 公開済 |
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公開日 | 2023/03/17 |
関連質問番号 |
調査にあたり、高校生向けに書かれた資料のほか、一般書の中から高校生でも読みやすく、理解しやすい資料を探した。調査過程は以下のとおり。
まず都立図書館蔵書検索を以下の条件で検索した。
・キーワード<メディアリテラシー 新聞><新聞 読み方><新聞 情報利用法><フェイクニュース>
・件名<メディアリテラシー><クリティカルシンキング><新聞><情報利用法><情報検索><文献探索><情報活動><調べ学習>等
次に都立多摩図書館のこどものへや(児童書が配架)、青少年エリア(中学生・高校生向けの本が配架)の書架を確認した。主に確認したのは、次の分類番号とテーマの書架である。
・分類番号070:ジャーナリズム、新聞
・分類番号361:社会学
調査の結果、新聞の読み方や情報の調べ方に関する以下の資料に関連する記載があった。
●新聞の読み方に関する資料
資料1
p.45-48「第一章 誰もが情報発信する時代 手つかずの「情報リテラシー」教育」では、マスメディアに対する情報リテラシーについて言及されている。
また、第三章以降では、新聞を含むメディアの報道を批判的に捉え、正確に情報を掴むために気をつけることが述べられている。
資料2
新聞が作られる過程や新聞の役割、使い方についてまとめられている。「第5章 新聞から「世界」と「日本」が見える」のp.238-244にものを見る視点として大切なものや新聞比較について記載されている。
資料3
p.19-51「2「複雑化」を超え、「液状化」する情報とメディア」に新聞の記事作成について記述がある。
資料4
全体としては新聞に肯定的な資料だが、p.27-31に新聞の読み比べを薦める内容、p.133-136に新聞の見出しと内容の齟齬についての記載がある。
資料5
一般向けに、新聞を読む際に必要な基礎知識や注意点等が解説されている。
例えば、次のような項目がある。
・p.54-65「第2章 4 情報の「質」の違いを意識する」
新聞記事の中には、「事実」だけではなく、「伝聞」や「推測」「意見」、「主張」等が含まれていることや、それらの読み解き方が説明されている。
・p.81-87「第3章 3 新聞業界の構造」
各社の政治的スタンスの違い等について解説されている。
・p.131-162「第5章 情報を立体的に読み解く」
新聞記事やニュースについて、発信者の表現、立場や動機、ニュースの背景等を踏まえて、読み解く方法が解説されている。
資料6
一般向けに、新聞、雑誌、書籍の読み方からスマホ、SNSなどネットの使い方まで、著者2人のスキルを紹介している。
p.37-98に「第1章 僕らの新聞の読み方」が収録されている。
資料7
小中学生向けにテレビ、ラジオ、新聞、インターネットのメディアの特徴を紹介するとともに、メディアの活用方法についてまとめられている。
p.64-136に新聞の長所と短所や情報の活用のための具体的な手法が記載されている。
資料8
新聞を有効活用する方法が紹介されている。
p.54-60に日経新聞の紙面構成や読む際に気をつけたいこと、p.91-98に新聞でよく使われる特徴的な語彙や言い回し(「強制捜査」や「関係者の話でわかった」など)、p.129-165に新聞の読み比べについて、などが記載されている。
●大学生向けの調べ方入門書
資料9
やや書きぶりは難しいが、情報収集の基礎から、研究内容を発表したり、論文やレポートにまとめたりするまでの一連の流れと注意点等が解説されている。
例えば、p.52-54「2.文書資料の種類、特徴、利用法 3新聞・雑誌」では、新聞や雑誌の内容について、記者が直接得た情報ではなく間接的な情報である場合には、そのもとをたどるとよいこと等が書かれている。
さらに、p.77-94「第4章 本を読む-クリティカル・リーディングの手法」では、調査にあたって、どのように読む本を選べばよいのか、またその本を批判的に読み解くにはどのようにすればよいのか解説されている。
資料10
大学生向けだが、比較的文章が分かりやすく、イラストや図解を交えながら、情報収集の基礎から、研究内容を論文やレポートにまとめたり、発表したりするまでの一連の流れと注意点等が解説されている。
p.69「コラム 新聞に注意しよう」では、「特定の新聞社の立場に影響されないように、複数の新聞を比較する」ことが大切であると書かれている。また、p.107-132「5章 読む力(読解力)」では、クリティカルシンキングを働かせた読み方について詳しく解説している。
●一般向けの調べ方入門書
資料11
文献や資料の調べ方やフィールドワークの方法等を解説している。
一般向けではあるが、学生の論文執筆や探求学習にも活用できるよう、平易な文章で書かれている。
例えば、次のとおり、新聞記事の検索や、インターネットでの情報収集について記述がある。
・p.58-66「第2章 4 新聞記事を調べる」
新聞記事を読む際の注意点や、新聞記事検索データベース類の概要等がまとめられている。
・p.87-89「第2章 7 書かれていることは真実か」
クリティカルリーディングについて簡単に紹介されている。
●フェイクニュースに関する資料
資料12
一般向けにフェイクニュースについて解説している。新聞に特化した資料ではないが、p.125-147の「第6章 ダマされないためには」では情報がフェイクニュースか否かを見分けるためのポイントについて説明している。
●ブックガイド
資料13
中高生が課題探求型学習に取り組む上で役立つ本を、司書教諭である著者が紹介している。
例えば、次のような章があり、上記の資料のうちの多くが紹介されている。
p.36-46「ニュースを知ろう」、p.62-65「情報を集める」、p.66-76「図書館の使い方」
●インターネット上で公開されているガイド
情報1
「批判的に読む」(千葉大学付属図書館)
https://alc.chiba-u.jp/eyr/2020/10/29/03critical.html
新聞に限定はしていないが、文献を批判的に読むためのポイントがまとめられている。
高校生向けに、レポート等を作成する際の情報検索のコツや注意点についてまとめたガイドとして、情報2と情報3を参考までに紹介した。
いずれも、PDFで本文がダウンロードできる。
情報2
「都立高校の生徒のためのラーニングスキルガイド~レポート作成編~」(東京都立高等学校学校司書会)
https://www.sisyokai.net/activity_guide.html
情報3
「都立中央図書館で学ぶ!はじめてのレポート・論文作成ガイド」(東京都立図書館)
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/support_school/research/for_study/
以上、インターネット情報等の最終アクセス日は、すべて2023年2月22日。
なお、参考文献のうち、資料10は都立中央図書館のみで所蔵、資料1、3、4、7、8は都立多摩図書館のみで所蔵している 。その他の資料は都立中央・多摩両館で所蔵している。
参考文献
転記用URL
https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/reference/search-detail.do?qesid=0010006344&lang=ja1/1