1964年頃、オリンピック前の風景写真を募集したコンテストがあった。主催は富士フイルムだったと思うが、それについての情報を探している。

新聞記事を検索できるオンラインデータベース「朝日新聞クロスサーチ」「ヨミダス歴史館」「中日新聞・東京新聞記事データベース」、雑誌記事を検索できるDB「雑誌記事索引集成データベースざっさくプラス」を、＜富士フイルム＞×＜フォトコンテスト＞をキーワードとして検索した。
『読売新聞』1964年5月14日朝刊７面（資料1）に「富士フイルムが世界におくるフォトコンテスト」の応募の方法や賞金についての広告が掲載されていたことが分かった。

上記のフォトコンテストの詳細についてヒントを得るためインターネット検索をしたところ、富士フイルムが1964年の東京オリンピックを記念して出版した『Japan Tokyo Olympic Year』（資料2）についてのページがヒットした。これにより、富士フイルムが、1950年より日本全国の写真愛好家に呼びかけて「フジフォトコンテスト」を行い、1960年からは全世界に広げてフォトコンテストの作品を集めていたこと、1964年度は日本でのオリンピック開催を記念して、「日本の若人」「日本の風景」というテーマに定めて募集を呼びかけしいたこと、その入選作品が収録されたのが資料2ということが分かった。（最終検索日2023年1月17日：https://made-in-wonder.com/item_detail.php?item_id=5326）

さらに情報を得るため、雑誌記事を調査した。
『東京都立多摩図書館 新聞・雑誌目録－2016年11月現在－』（資料3）の「主題分類索引」から分類「740 写真」に記載があった雑誌『フォトコンテスト』（写真文化振興会）は、欠号はあるが1958年5月号から1965年12月号まで所蔵していることが分かった。そこで、東京オリンピック前後の1963年1月号から1964年12月号まで確認した。この雑誌は、キャノンやオリンパス等の写真コンテストのほか、応募できる全国の様々な写真コンテストについて掲載されており、「富士フイルムが世界におくるフォトコンテスト」についても資料4～6に掲載があった。

資料4：p.39「日本の現状を照らす　再開されるフジコンの路線」に「近く再開されるフジコン」「今までのフジコンとは違って、オリンピックのための写真を募集するということはハッキリしている。」との記述がある。
p.47「コンテスト応募案内」には「＜富士コン＞は4月から5月の予定で募集される」とある。

資料5：p.58「富士フイルムが世界におくるフォトコンテスト募集開始 締切五月末日。三部門で」に「発表七月二十日。入賞作品から画集の編集方針に合った作品が選出され、九月中には写真集が出来上がる。」とある。三部門の内訳は、「日本の若人」「日本の風景」「全国撮影会の部」。

資料6：表紙に「富士コン発表」という見出しがある。p.1-7に最高作品賞、優秀作品賞受賞の作品が掲載されている。
p.16-17「コンテスト評 意表をついた最高作品＜大和三山＞富士フイルムが世界におくるフォトコンテスト」という記事がある。また、p.20-21に関連の記事がある。
p.30-33「富士フイルムが世界におくるフォトコンテスト」の優秀作品賞受賞作品が掲載されている。