昭和30年代（1955～1964年）当時の生活の様子が分かる写真が載っている資料の調べ方を知りたい。具体的には一般家庭の家の中の様子など（外観よりは内観を見たい）。

都立多摩図書館では雑誌を多く所蔵していることから、雑誌を使用した方法を中心に、以下の調査方法を紹介する。

１．特定の雑誌を調査
（１）雑誌『暮しの手帖』
1948（昭和23）年に創刊した雑誌で、現在も継続刊行されている（創刊時のタイトルは『美しい暮しの手帖』）。
各時代の衣食住をテーマにした誌面が特徴。
毎号、家のつくり、台所の様子、家具などを紹介するコーナーがあり、一般住宅の内観の写真が掲載されている。
都立多摩図書館では昭和30年代（1955～1964年）の『暮しの手帖』を所蔵しているため、当時の様子を確認できる。
1955～1964年の所蔵情報は以下のとおり。
昭和30年 1号 通巻28号（1955.2）（資料1）～昭和39年 5号 通巻77号 (1964.12)（資料2）

（２）雑誌『朝日クロニクル週刊20世紀』
1901-2000年の100年を対象とし、1年または2年を1冊にまとめ、その年の主要な出来事を豊富な写真とともに掲載している。
一般家庭の家の中の様子がわかる写真は少ないが、当時の世相を確認することができる。
1955～1964年の所蔵情報は以下のとおり。
12号 （1999.4.25）「1955 昭和30年 景気「浮雲」にのる」（資料3）～21号 （1999.6.27）「1964 昭和39年 宿願の五輪」（資料4）

２．都立図書館蔵書検索
キーワード＜昭和　家庭　写真＞で多摩図書館の所蔵資料を検索すると、28件ヒットする。
このうち、以下の資料を確認。
資料5　『ビジュアルガイド明治・大正・昭和のくらし 3』
写真とイラストで昭和時代のできごと、生活の様子や文化を紹介している本で、一般住宅の内観の写真が掲載されている。
内観の写真は、巻末に「昭和時代を学べる施設」として紹介されている「昭和のくらし博物館」から提供されたもの。
昭和のくらし博物館は、1951（昭和26）年に建てられた庶民住宅を、中の家財道具ごとまるごと公開している博物館である。
・昭和のくらし博物館（大田区）
https://sites.google.com/view/showanokurashi/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
また、一部の家具の写真は、巻末で同様に紹介されている「昭和館」から提供されたもの。
昭和館は、戦中・戦後（1935（昭和10）年頃から1955（昭和30）年ごろまで）の人々の暮らしを今に伝える生活の道具を展示した施設。
映像・音響室では記録写真や映像などを、図書室では図書・雑誌などを探して見ることもできる。
・昭和館（千代田区）
https://www.showakan.go.jp/

３．オンラインデータベース「Web OYA-bunko 公立図書館版」（以下、「Web OYA-bunko」という。）
当館で契約している雑誌記事索引データベース「Web OYA-bunko」には、大衆雑誌の記事索引が数多く収録されている。
「Web OYA-bunko」の「ことがら検索」で、＜昭和30年代＞と入力して「候補」ボタンを押すと、件名キーワード「昭和３０年代⇒戦後の世相一般」が表示される。
こちらにチェックを入れて「検索する」ボタンを押すと、171件の雑誌記事がヒットする。
「ことがら検索」は、フリーワード検索等とかけあわせて検索することもできるので、気になるキーワードや、記事種類でさらに絞り込むこともできる。
記事種類「グラビア」とかけあわせて絞り込むと、32件の記事がヒットする。
このうち、以下の記事を確認すると、当時の生活風景、家電の写真が掲載されていた。
資料6　雑誌『サライ』2巻 14号 通巻21号（1990.7.19）
p.14-17「特別企画グラフ　電化が始まった頃のサラリーマンの生活」
本記事では、新宿歴史博物館の展示資料も紹介されている。
新宿歴史博物館は、新宿区の郷土博物館で、常設展として「昭和初期の新宿」を設けている。
その中の「サラリーマンと文化住宅」では、1935（昭和10）年頃の実物大の文化住宅が展示されており、中に入ることもできる。
昭和30年代のものではないが、昭和の生活の様子がわかる展示なので、参考に紹介する。
・新宿歴史博物館（新宿区）
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/

以上、参考文献はすべて都立多摩図書館所蔵資料を使用した。
また、インターネット情報等の最終検索及びアクセス日は、すべて2024年1月18日。