調査・質問内容

質問番号 0010007567
状態 受付済
質問日 2021/05/19

ゴジラやガメラ、ウルトラマン等の特撮作品における怪獣の着ぐるみ(人が着て演じる縫いぐるみ)の構造・設計、メイキングがわかる本。
戦隊ヒーローや仮面ライダーのようなスーツは不要、なるべく人型ではない怪獣がいい。

図書館からの回答

回答状態 公開済
公開日 2024/03/26
関連質問番号

都立図書館蔵書検索にて、以下のキーワードと分類<778(映画)>を掛け合わせて検索し、ヒットした資料を調査した。
キーワード:<着ぐるみ><着グルミ><縫いぐるみ><ぬいぐるみ><ヌイグルミ><怪獣><造型><造形><模型><ミニチュア><スーツ><ゴジラ><特撮>
関連資料が多いため、平成以降に刊行された図書を中心に紹介する。

1 映画作品、東宝、特撮に関する資料
映画のメイキング、制作秘話等がまとめられており、一部に怪獣の着ぐるみの構造に関する記述、内部の写真が収録されている。

資料1 『日本特撮技術大全』
特撮がどのようにして作られるのか、 特撮映像の技術分野について紹介。スタッフへのインタビュー、戦前・戦中期から平成に至るまでの特撮作品のメイキング写真も多数収録している。
p.57-112「日本特撮技術講義[一] 怪獣・メカのデザインと造形」(井口昭彦ほか)は、キャラクターデザインや造形担当へのインタビューの他、ゴジラやウルトラ怪獣の制作過程を紹介している。
また、p.73「怪獣の造形方法」では、ゴジラの着ぐるみを例にして、「直づけ」「型抜き」の2つの手法を図説している。

資料2 『平成ガメラ造型写真集』
平成期の「ガメラ」シリーズについて、着ぐるみをはじめとした歴代ガメラやギャオス等の怪獣の、造形、制作過程を写真とともに紹介。
各怪獣の制作過程をメイキングの写真、部位ごとの構造、造形担当によるエピソード等によって、詳しく解説している。

資料3 『ガメラ全記録 大怪獣空中決戦』
スタッフへのインタビューを中心に、映画「ガメラ 大怪獣空中決戦」の舞台裏について紹介。
p.8-9「メイキング・オブ・ガメラ 造形」にて、ガメラ、ギャオスの着ぐるみの制作過程を写真とキャプションで紹介している。
また、p.83-88「インタビュー・対談・座談会 怪獣造形 原口智生」にて、着ぐるみ制作で注意したポイント等を述べている。

資料4 『ゴジラ造型写真集』
1954年「ゴジラ」から2017年「GODZILLA 怪獣惑星」まで、着ぐるみをはじめとした歴代ゴジラの造形、制作過程を写真とともに紹介。
p.113-126「ゴジラを造った男たち・ゴジラを演じた男たち」は、造形担当5名、スーツアクター4名へのインタビューで、ゴジラの制作過程や改良点、素材等について記述がある。

資料5 『ゴジラ 東宝特撮映画全史』
1954年「ゴジラ」や「モスラ」「サンダ対ガイラ」等の怪獣映画やSF映画について、キャラクター紹介や作品解説、スチール写真等を掲載している。
p.24-31「ゴジラ 1954~1967」、p.62-65「ゴジラ 1968~1975」、p.138-141「ゴジラ 1984~1995」、p.154-157「ゴジラ 1999~2004」にて、ゴジラスーツの流れやそれぞれの造形や工夫を紹介。
その他の文中にも、造形に関するエピソードが見出せる。

資料6 『オール東宝怪獣大図鑑』
ゴジラ、モスラ等、1950年代~2000年代の東宝の特撮映画の怪獣について、特徴、造形に関するエピソードを紹介。
一部の怪獣は、造形制作現場の写真や着ぐるみを着る様子の写真を掲載している。

資料7 『東宝特撮映画大全集』
1954年「ゴジラ」から2004年「ゴジラ FINAL WARS」まで、東宝の特撮映画70本について基本データや本編スチールを紹介。各作品の「撮影秘話」に、怪獣着ぐるみの造形に関する記述がある。

資料8 『大ウルトラマン図鑑 空想特撮美術体系』
「ウルトラマン」シリーズのキャラクター93体のデザインと造形を写真とともに紹介。
例えば、p.96-98「第二部 ウルトラマン 第一章 アントラー」、p.146-147「同部 第二章 ジャミラ」では成田亨のデザイン画、高山良策の設計図、造形制作現場の写真を掲載している。

資料9 『豪怪奔放 円谷怪獣デザイン大鑑1971-1980』
1971年「第2期ウルトラマン」シリーズから1980年「第3期ウルトラマン」シリーズまでの怪獣をデザイン画とともに紹介。
例えば、p.25「第1章 ウルトラマン1971-1974 帰ってきたウルトラマン 蜃気楼怪獣 パラゴン」、p.129「第2章 銀河連邦1971-1973 ミラーマン 古代恐竜 アロザ」では「アロザ 造形指示書」を掲載している。
また、p.105-107「第1章 検証:栄光の怪獣王国、狂乱のデザイン史 ウルトラマン第二期編 01 第二期ウルトラマンシリーズのとば口で池谷仙克が創造した、端正な異形の衝撃」(池谷仙克)では、p.106に、高山良策による「ツインテール」(「帰って来たウルトラマン」より)の造形用図面を掲載している。

資料10 『昭和41年ウルトラマン誕生』
p.70-71「ウルトラ怪獣・設計図」にジャミラ、ガヴァドン等、造形担当の高山良策が作成した設計図を掲載している。
p.25-28、36-38、75等にメイキングの写真を掲載しているが、説明はない。

2 造形家に関する資料
怪獣の造形担当の写真集、作品集、伝記等を確認すると、当時の作業風景等が掲載されている。

資料11 『ゴジラの工房 若狭新一造形写真集』
1993年「ゴジラVSメカゴジラ」、1996年「モスラ」、2004年「ゴジラ FINAL WARS」等の作品を取り上げ、各怪獣の制作過程を写真とキャプションで紹介。
例えば、p.31-62「『ゴジラVSスペースゴジラ』(1994年)」では、スペースゴジラのメイキングの写真、部位ごとの構造、試着時の様子等を掲載している。
また、リトルゴジラの制作は、粘土原型の芯とするため、スーツアクターのリトル・フランキー氏の全身の型を取る工程から掲載している。(p.52-62)

資料12 『怪獣秘蔵写真集造形師村瀬継蔵』
モスラやキングコング等の怪獣造形に携わった村瀬継蔵が、造形制作現場や撮影所で撮った怪獣造形の写真をまとめている。
例えば、p.96-119「『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965年)バラゴン」では、バラゴンの頭部、牙、胴体、全体の制作過程の写真を掲載している。
p.257-271「村瀬継蔵インタビュー 村瀬継蔵 造形人生」(聞き手:若狭新一、友井健人、中村哲)では、制作過程や素材等について記述がある。

資料13 『東宝特殊美術部の仕事 映画・テレビ・CF編』
1984年「ゴジラ」、1998年「不可殺而(プルガサリ)」等、東宝特殊美術部が携わった作品を取り上げ、造形・美術制作現場や撮影所で撮影した写真をまとめている。
怪獣造形に関する写真は少ないが、例えば、p.76-80「第1部 特撮映画におけるアイテム 【28】『ゴジラVSビオランテ』」では、ゴジラの着ぐるみの頭や足のインナー部分、新たに作った首を古い着ぐるみに取り付ける様子等の写真を掲載している。

資料14 『ずっと怪獣が好きだった 造型師が語るゴジラの50年』
平成期の「ゴジラ」「ガメラ」シリーズの怪獣造形に携わった品田冬樹が、造形制作や撮影のエピソード等を述べている。
p.33-60「コラム ゴジラヌイグルミ事始め」は、初代ゴジラの着ぐるみができるまでを図説し、その後の造形の進化等を説明している。

資料15 『特撮の匠 昭和特撮の創造者たち』
p.200-219「第4章 命を吹き込む 美術監督・造形・背景美術・合成の証言 開米栄三」
「ゴジラ」「帰ってきたウルトラマン」「人造人間キカイダー」等の怪獣造形に携わった開米栄三のインタビュー。「帰ってきたウルトラマン」時代の怪獣の造形方法等を語っている。

資料16 『華麗なる円谷特撮デザインの世界ミラーマン☆ジャンボーグA』
「帰ってきたウルトラマン」「ミラーマン」「ジャンボーグA」の怪獣をデザインした米谷佳晃のデザイン画を掲載している。
デザイン画には不鮮明だが造形に関するメモがあり、創作に関するエピソードも紹介している。

資料17 『怪獣と美術 成田亨の造形芸術とその後の怪獣美術』
2007(平成19)年7月18日から8月26日まで、山寺芭蕉記念館等で開催された展示の図録。
「ウルトラマン」シリーズ等の怪獣のデザインや造形に携わった成田亨、高山良策、池谷仙克、原口智生の作品を掲載している。デザインイラスト中心だが、設計資料、造形サンプルも掲載している。
例えば、p.120「図版 高山良策 2-1 バルゴン設計資料」では、スプリング、布、ファスナー等、各部位の指示を記載している。

3 特撮作品のスーツアクターに関する資料
着ぐるみ怪獣を演じるスーツアクター(着ぐるみ俳優)の伝記やインタビューは、実際に装着した印象、内部の構造等について記述がある。ただし、着ぐるみの詳細やメイキングはわからない。

資料18 『怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄』
「ゴジラ」シリーズに出演したスーツアクター、中島春雄の自伝。ゴジラや東宝特撮映画の怪獣を演じた際の写真やエピソード等がある。

資料19 『俺は俳優だ 着グルミ役者と呼ばれて30年』
「ゴジラ」シリーズに出演したスーツアクター、薩摩剣八郎の自伝。ゴジラや大怪獣プルガサリを演じた際のエピソード等がある。

資料20 『ザ・スーツアクター 特撮ヒーローを演じた男たち』
「帰ってきたウルトラマン」でウルトラマンを演じたきくち英一、ゴジラを演じた中島春雄などのインタビューがある。

以上、インターネット情報等の最終検索日及び最終アクセス日は2024年3月11日。

参考文献

タイトル 注記
【資料1】日本特撮技術大全 / 学研プラス / 2016.8 <778.4/5121/2016>
【資料2】平成ガメラ造型写真集 / 原口 智生/監修 / ホビージャパン / 2023.9 <D/778.2/7511/2023>
【資料3】ガメラ全記録 大怪獣空中決戦 / 徳間書店 / 1995.6 <7782/3666/95>
【資料4】ゴジラ造型写真集 / ホビージャパン / 2017.7 <D/778.2/6939/2017>
【資料5】ゴジラ 東宝特撮映画全史(キャラクター大全) / 講談社/編 / 講談社 / 2014.7 <778.2/6604/2014>
【資料6】オール東宝怪獣大図鑑(洋泉社MOOK) / 洋泉社 / 2014.4 <778.2/6594/2014>
【資料7】東宝特撮映画大全集 / ヴィレッジブックス / 2012.9 <D/778.2/6410/2012>
【資料8】大ウルトラマン図鑑 空想特撮美術体系 / ホビージャパン / 1996.9 <D/7788/3028/96>
【資料9】豪怪奔放 円谷怪獣デザイン大鑑1971-1980 / 鴬谷 五郎/編著, 円谷プロダクション/監修 / ホビージャパン / 2021.12 <D/778.8/5276/2021>
【資料10】昭和41年ウルトラマン誕生 / 金田 益実/編著, 円谷プロダクション/監修 / ジェネオンエンタテインメント / 2009.3 <778.8/5113/2009>
【資料11】ゴジラの工房 若狭新一造形写真集(映画秘宝COLLECTION) / 若狭 新一/著 / 洋泉社 / 2017.10 <D/778.2/6960/2017>
【資料12】怪獣秘蔵写真集造形師村瀬継蔵 / 村瀬 継蔵/著, 西村 祐次, 若狭 新一/監修 / 洋泉社 / 2015.9 <759.0/5204/2015>
【資料13】東宝特殊美術部の仕事 映画・テレビ・CF編 / にに たかし/著 / 新紀元社 / 2018.12 <778.2/7074/2018>
【資料14】ずっと怪獣が好きだった 造型師が語るゴジラの50年 / 品田 冬樹/著 / 岩波書店 / 2005.3 <778.2/5636/2005>
【資料15】特撮の匠 昭和特撮の創造者たち / 「特撮の匠」取材班/編 / 宝島社 / 2017.5 <778.8/5213/2017> p.200-219
【資料16】華麗なる円谷特撮デザインの世界ミラーマン☆ジャンボーグA 米谷佳晃デザインワークス1971~1973 / 米谷 佳晃/著 / 講談社 / 2014.4 <778.8/5175/2014>
【資料17】怪獣と美術 成田亨の造形芸術とその後の怪獣美術 / 成田 亨/[画] / 東京新聞 / 2007.7 <726.5/5217/2007>
【資料18】怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄 / 中島 春雄/著 / 洋泉社 / 2010.7 <778.2/6175/2010>
【資料19】俺は俳優だ 着グルミ役者と呼ばれて30年 / 薩摩 剣八郎/著 / ワイズ出版 / 2004.12 <778.2/5607/2004>
【資料20】ザ・スーツアクター 特撮ヒーローを演じた男たち / 破李 拳竜/著 / ソニー・マガジンズ / 1999.12 <778.8/5003/1999>

転記用URL

https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/reference/search-detail.do?qesid=0010007567&lang=ja

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