調査・質問内容

質問番号 0010007938
状態 受付済
質問日 2023/11/16

都立中央図書館所蔵の双六『新撰銘酒寿語禄』(883-S3)には酒樽が描かれている。上から四段目、左から二番目の酒の銘柄を知りたい。
産地も分かれば教えてほしい。

図書館からの回答

回答状態 公開済
公開日 2024/08/29
関連質問番号

銘柄は「剣菱」、産地は伊丹である。
なお旧字は一部新字に改めて記載した。

『新撰銘酒寿語禄』(883-S3)は、都立図書館画像データベースである「TOKYOアーカイブ」で公開している。
https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000004-00000694
ダウンロードして拡大した画像より、「坂上」という記載が見出せる。

「TOKYOアーカイブ」(https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/)を、キーワード<銘酒>で検索し、ヒットした資料を調査した。
『新撰銘酒寿語禄』と同じ商標が、以下の天保期の日本酒関係の番付に見出せる。

資料1『天保改 江戸積銘酒大寄 大新板』
当該資料には「大関 伊丹 坂上」と記載されている。
この資料の「TOKYOアーカイブ」のURLは以下のとおり。
https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000014-00040951

資料1をもとに、「坂上」「伊丹」について調査した。
都立図書館蔵書検索(https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/opac/search-detail.do?lang=ja)と国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/)を、キーワード<酒><坂上><伊丹><兵庫>を組み合わせて検索し、ヒットした資料を調査した。

資料2『伊丹市史』第2巻
p.457-474「第三章 第一節 三 幕末期の伊丹酒造業の衰退」
p.470に「(前略)津国屋閑(勘)三郎も、伊丹銘酒剣菱の醸造元として著名であり、姓は坂上を名のった。」といった記載がある。

資料3『灘酒史』
p.16-25「第二章 第二節 伊丹、池田と鴻池の盛衰」
p.20「剣菱の銘は、猪名寺屋善兵衛と称するもの、始めて其の家醸に命じ、後世に至り坂上氏に移れりと、(下略)」といった記載がある。

資料2, 3をもとに、「剣菱」について手がかりを得るために、インターネット「Google」(https://www.google.co.jp/)を調査すると、該当の商標を使用している「剣菱酒造株式会社」のサイトがヒットする。
以下のページで剣菱の歴史について解説している。
情報1「剣菱 剣菱の歩み」(剣菱酒造株式会社)
https://www.kenbishi.co.jp/history/

なお、剣菱の歴史については、以下の資料4にも記載がある。

資料4『丹醸銘酒剱菱への旅』

以上、インターネット情報等の最終アクセス日は、すべて2024年7月5日。

参考文献

タイトル 注記
【資料1】天保改 江戸積銘酒大寄 大新板 <東883/32/>
【資料2】伊丹市史 第2巻 / 伊丹市史編纂専門委員会/編 / 伊丹市史編纂専門委員会 / 1969 <2196/I732/I1-2> p.470
【資料3】灘酒史 / 菅谷秋水/纂述 / 大谷商店 / 1910 <5885/123/10> p.20
【資料4】丹醸銘酒剱菱への旅(交響誌「旅シリーズ」 第1誌) / 山京 東伝/著 / 近代文芸社 / 1993.1 <5885/3095/93>

転記用URL

https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/reference/search-detail.do?qesid=0010007938&lang=ja

1/1