難病の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症について、その病態と治療方法、治療経過、具体的な症状、その症状の経時的変化について調べたい。

まず、病気の概要を把握するため、インターネット情報（情報1～3）を確認した。

情報1　「難病情報センター」（難病医学研究財団）
https://www.nanbyou.or.jp/
「病名を50音索引から探す」から「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」を確認。
以下のページあり。
「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（指定難病45）」
https://www.nanbyou.or.jp/entry/3877
「病気の解説（一般利用者向け）」に病気の概要、症状、治療法と経過、病気の経過、日常生活での注意について掲載あり。
また、別名または関連する病名として「アレルギー性肉芽腫性血管炎」、「チャーグ・ストラウス症候群」とあり。
医療従事者向けには「概要・診断基準等（厚生労働省作成）」、「よくある質問」の項目あり。

情報2　「KOMPAS」（慶應義塾大学病院）
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/
慶應義塾大学病院の医療スタッフが書き下ろしたウェブコンテンツによる情報サービス。
TOP＞「病気を知る」＞「膠原病と免疫の病気」＞「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」から確認。
以下のページあり。
「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（eosinophilic granulomatosis with polyangiitis：EGPA）」
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000618/
病気の概要、症状、診断、治療等の掲載あり。
概要に「以前は、アレルギー性肉芽腫性血管炎またはChurg-Strauss（チャーグ・ストラウス）症候群と呼ばれていましたが、2012年に主に小血管に病変がある疾患（小型血管炎）の一疾患として、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の名称が提案されました。」とあり。

情報3　「MSD マニュアル プロフェッショナル版」（MSD）
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional
主要な疾病について症状から治療法まで網羅した総合的医学書『メルクマニュアル』のオンライン版。
「プロフェッショナル版」のほか「家庭版」もあり。
TOP＞「医学事典」＞「06. 筋骨格系疾患と結合組織疾患」＞「血管炎」＞「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）」を確認。
病因、症状と徴候、診断、治療等が医療従事者向けに詳細に記載されている。

情報1～3で得た情報を基に、末尾に記載したデータベース類をキーワード＜好酸球性多発血管炎性肉芽腫症＞＜EGPA＞＜チャーグ・ストラウス症候群＞＜血管炎＞＜免疫＞、件名（図書館の本につけられる検索用キーワード）＜血管-疾患＞、分類＜493.24：血管：静脈炎，動脈硬化症＞等を掛け合わせて検索した。
また、都立中央図書館の健康・医療情報コーナー「ここから調べるコーナー」の棚を確認し、以下の資料を見出した。
以下、カテゴリーごとに概ね情報量の多い順に記載する。

【図書】
資料1　『ANCA関連血管炎診療ガイドライン 2023』
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）を含む、ANCA関連血管炎に関する診療ガイドライン。
巻末の「索引（和文）」から「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）」を確認。
p.144-149「Part2　ANCA関連血管炎の基礎と臨床　V 診断　3 EGPA」に発症経過や臨床所見等の掲載あり。
p.156-157「同　VII 治療　2 治療アルゴリズム EGPA」に治療経過等の掲載あり。

なお、「Mindsガイドラインライブラリ」（日本医療機能評価機構）の以下URLより、上記ガイドラインの全文閲覧が可能。
情報4　「ANCA関連血管炎診療ガイドライン2023 | Mindsガイドラインライブラリ」（日本医療機能評価機構）
https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00814/

資料2　『皮膚血管炎』　第2版
「索引（和文）」から「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」を確認。
p.192-216「第9章 一次性血管炎　6 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」
病因、症状、診断、治療、経過・予後等について、写真や画像も含めて詳しく紹介している。

資料3　『今日の治療指針』（vol.67, 2025年版）
各科の疾患に対する最新の治療法を、その分野の専門家が執筆した治療年鑑。
「事項索引（和文）」から「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」を確認。
p.870-871「14 膠原病および類縁疾患　好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〔アレルギー性肉芽腫性血管炎（Churg-Strauss症候群）〕」（天野宏一）に、病態と診断、治療方針や処方例等が簡潔に記載されている。

資料2のp.192「A 疾患概念・定義」に「EGPAは喘息の前駆症状、高好酸球血症に伴う好酸球組織浸潤、さらに全身性血管炎の合併を特徴とする血管炎症候群である。」とあるため、呼吸器に関する資料も確認。
また、資料3から膠原病に関する資料も確認。
なお、例えば『病気がみえる』という医学生や看護師向けのテキストでは、「呼吸器」の巻と「免疫・膠原病・感染症」の巻の両方に記載がある（資料6、資料8）。

【呼吸器に関する資料】
資料4　『喘息診療実践ガイドライン 2024』
喘息に関する診療ガイドライン。
p.51-55「5 合併症　5-5 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（eosinophilic granulomatosis with polyangiitis, EGPA, 通称：Churg-Strauss症候群）」に、疾患概要、臨床像、診断、治療、予後の記載あり。

資料5　『最新ガイドラインに基づく呼吸器疾患診療指針』 [2024]第6版
「索引」から「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」を確認。
p.262-269「6. アレルギー性肺疾患　好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」（高木弘一, 井上博雅）に病態、治療等について簡潔に記載あり。

資料6　『病気がみえる　vol.4』（呼吸器）第4版
医学生や看護師向けのテキストだが、図版入りでわかりやすくまとめられている資料。
「和文索引」から「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）」を確認。
p.192「免疫・アレルギー性肺疾患　ANCA関連肺疾患 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）」に症状、治療等について簡潔に記載あり。

【膠原病に関する資料】
資料7　『膠原病診療実践バイブル』
「索引（和文）」から「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」を確認。
p.218-222「IV. 疾患別の最新診療指針　B. 血管炎　05. ANCA関連血管炎　05-3. 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）」（駒形嘉紀）に疫学・予後、病態、症状、治療等について簡潔に記載あり。

資料8　『病気がみえる　vol.6』（免疫・膠原病・感染症）第2版
p.138-139「膠原病　血管炎症候群　ANCA関連血管炎（AAV） 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）」に経過、症状、治療等について図版入りで簡潔に記載あり。

【雑誌】
資料9　『臨床検査』68巻 6号 （2024年6月）
p.734-741「免疫・アレルギー性肺疾患と検査　疾患各論　好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）」（谷口正実, 上出庸介, 関谷潔史）
診断手順、周辺疾患との鑑別、新しい標準治療について等、比較的新しい情報が掲載されている。

資料10　『アレルギーの臨床』44巻　2号　通巻594号（2024年2月）
p.4-26「特集 各領域からみたEGPA」（高野賢一［ほか］）
呼吸器、脳神経内科、耳鼻咽喉科、皮膚科等の各領域の専門家が執筆した論文が掲載されている。

資料11　『日本医事新報』5286号（2025年8月16日）
p.11-32「見逃さない！ANCA関連血管炎＜腎炎症例を中心とした診療のコツ＞」（鈴木智）
ANCA関連血管炎全体について病態、治療等、新しい情報が掲載されている。

【調査したデータベース類】（＊印のついているものは、都立図書館で契約しているオンラインデータベースである。）
・都立図書館蔵書検索（東京都立図書館）https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/opac/search-detail.do?lang=ja
・国立国会図書館サーチ（国立国会図書館）https://ndlsearch.ndl.go.jp/
・レファレンス協同データベース（国立国会図書館）https://crd.ndl.go.jp/reference/
・J-STAGE　科学技術情報発信・流通総合システム（科学技術振興機構）https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
・MagazinePlus（日外アソシエーツ）＊
・ジャパンナレッジ Lib（ネットアドバンス）＊
・医中誌Web（医学中央雑誌刊行会）＊
・JDream　III（G-Search）＊

以上、インターネット情報等の最終検索及びアクセス日は、すべて2025年10月8日。