事例詳細
調査・質問内容
| 質問番号 | 0010009482 |
|---|---|
| 状態 | 受付済 |
| 質問日 | 2025/01/05 |
清瀬一郎『秘録東京裁判』(中央公論新社、1986年)p.166に「米国では、最高裁判所のウィリアム・O・ダグラス判事は東京裁判の被告がなした再審査請求事件に対し、一九四九年六月、意見書を発表した。その中でパール判決を支持し「国際軍事裁判所は政治的権力の道具以外の何物でもなかった」とのべられた。」とあるが、この意見書の内容がわかる資料が見たい。
図書館からの回答
| 回答状態 | 公開済 |
|---|---|
| 公開日 | 2026/03/19 |
| 関連質問番号 |
以下の資料2~6に当該意見書の要旨等が掲載されているほか、意見書を含む当該事件の判例全文がアメリカ議会図書館等のウェブサイトで公開されている(情報3、4)。
調査過程や主な確認資料は次のとおり。インターネット情報の最終確認日はすべて2026年1月26日。
(1)質問者が見た資料(1986年刊の文庫版)は当館未所蔵であったため、1975年刊の単行本(改訂版、資料1)のp.181-182を確認し、記載されている事実関係を確認。
(2)「レファレンス協同データベース」( https://crd.ndl.go.jp/reference/ )収録のレファレンス事例(情報1、2)を参考に、東京裁判関係の資料にあたったほか、都立図書館蔵書検索や末尾に記載したデータベース類を、キーワード<東京裁判><極東国際軍事裁判><ウィリアム・O・ダグラス><William O. Douglas><ダグラス><ダグラス判事><ダグラス裁判官><アメリカ><連邦最高裁判所><再審><訴願><意見書>、件名(図書館資料のテーマを表すキーワード)<極東国際軍事裁判><国際軍事裁判 太平洋戦争>等を適宜組み合わせて調査した。
また、それによりヒットした資料・情報とその引用・参照文献等を確認した。
【参考にしたレファレンス事例】
情報1 「東京裁判で述べられた「パール判事の反対意見書」(いわゆるパール判決書)の全文を日本文で見たい。」(東京都立中央図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000013339
情報2 「「The Tokyo Major War Crimes Trial / annotated, compiled & edited by R.John Pritchard.」は電子版で見られるか(後略)」(神奈川大学図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000228980
以上の検索により、次の資料2~4で、当該事件及び意見書の概要が確認できた。
資料2 『東京裁判ハンドブック』
巻末の「人名索引」(p.290-293)の「ダグラス」の項(p.292)より、以下の項に導かれる。
p.70「I 東京裁判 66 アメリカ連邦最高裁判所への訴願」
東京裁判における刑の宣告後、1948年11月29日に、広田弘毅等の被告を代表する弁護人が、アメリカ連邦最高裁判所へ人身保護令を求める訴願を提出したが、審理の結果、1948年12月20日に連邦最高裁判所はその申立てを却下したこと、多数意見に賛成したダグラス裁判官は1949年6月27日に独自の個別意見書を提出したこと等が記載されている。
個別意見書の一部を引用しており、出典として『勝者の裁き』が挙げられている。
資料3 『勝者の裁き 戦争裁判・戦争責任とは何か』
p.197-200「第六章 裁判のあとで 2 東京裁判とアメリカ連邦最高裁判所」
連邦最高裁判所への訴願とそれに対する決定について記述があり、p.198-200にかけて、引用を交えながらダグラス裁判官の意見書の内容を紹介している。
資料4 『東京裁判の国際関係 国際政治における権力と規範』
p.488-504「第六章 判決をめぐる政治力学 第三節 合衆国最高裁判所と東京裁判」
連邦最高裁判所への訴願について、経緯等が比較的詳しくまとめられている。
p.498でダグラス裁判官の意見書についても簡単に触れており、p.503の脚注にその出典が次のとおり記載されている。
「Opinion of Justice Douglas, 27 June 1949, FO 371/76252」
イギリス外務省文書であるが、イギリス国立公文書館の以下のページによるとインターネット公開はされていない。
https://beta.nationalarchives.gov.uk/catalogue/id/C2833825/
(3)以上の情報を基に、<広田弘毅><A級戦犯>等もキーワードに加えて、意見書の内容について記載された資料が他にないか探したところ、次の資料5、6が見出せた。
資料5 『広田弘毅』
https://dl.ndl.go.jp/pid/2996169/1/288 ※「国立国会図書館デジタルコレクション」図書館・個人送信限定
p.532-534「第八編 東京裁判と広田 一三、再審請求より処刑まで (ロ)判決に対する米国最高裁判所の見解」
p.533の末尾からp.534にかけて、意見書の要旨がまとめられている。
資料6 『読売新聞』1949年6月29日 朝刊 1頁
「服役中のA級戦犯訴願 米下級裁で再審可能 ダグラス判事・意見書を発表」
意見書が発表されたことを報じる記事で、意見書の大要が簡単に記されている。
(4)意見書の原文を探すため、インターネットを以下のキーワードを適宜組み合わせて調査したところ、情報3、4がヒットした。
<Opinion of Justice Douglas><27 June 1949><Supreme Court of the United States><Tokyo Trial><International Military Tribunal for the Far East><Hirota v. MacArthur>
なお、調査にあたっては、資料7p.104及び資料8p.118「5.013.」にて当該事件の書誌事項を確認した。
また、国立国会図書館作成の調べ方ガイド「リサーチ・ナビ」の以下のページも参照した。
・「リサーチ・ナビ アメリカ合衆国-判例」(国立国会図書館)https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/politics/US_Courts
情報3 「Hirota v. MacArthur, 338 U.S. 197 (1948)」(Justia U.S. Supreme Court Center)
https://supreme.justia.com/cases/federal/us/338/197/
当該事件の決定文が掲載されている。
「Opinions」の「MR. JUSTICE DOUGLAS, concurring.*」以下、ダグラス裁判官の意見書と思われる文章も記載されている。
情報4 「U.S. Reports: Hirota v. MacArthur, 338 U.S. 197 (1948-1949)」(Library of Congress)
https://www.loc.gov/item/usrep338197/
「View Enlarged Image」ボタンもしくは「Download」の「Go」ボタンをクリックするとPDFファイルが開く。
PDFの3-19ページ(p.199-215)に、意見書と思われる文章が掲載されている(「MR. JUSTICE DOUGLAS, concurring.*」に続く文章)。
例えば、PDFの19ページに「As Justice Pal said, it did not therefore sit as a judicial tribunal. It was solely an instrument of political power」という表現が確認できる。
【調査したデータベース類】
・都立図書館蔵書検索(東京都立図書館)https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/opac/search-detail.do?lang=ja
・国立国会図書館サーチ(国立国会図書館)https://ndlsearch.ndl.go.jp/
・国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館)https://dl.ndl.go.jp/
・レファレンス協同データベース(国立国会図書館)https://crd.ndl.go.jp/reference/
・リサーチ・ナビ(国立国会図書館)https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi
・国立公文書館デジタルアーカイブ(国立公文書館)https://www.digital.archives.go.jp/
・近現代史料データベース(J-DAC(ジャパンデジタルアーカイブズセンター))https://j-dac.jp/infolib/meta_pub/G0000019KUSUDA
・CiNii Research(国立情報学研究所) https://cir.nii.ac.jp/
・J-STAGE(科学技術振興機構)https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
・Google Scholar(Google)https://scholar.google.co.jp/
・Googleブックス(Google)https://books.google.co.jp/
*以下は、都立図書館で契約しているデータベース
・D1-Law.com 法情報総合データベース(第一法規)
・判例秘書INTERNET(LIC)
・朝日新聞クロスサーチ(朝日新聞社)
・ヨミダス(読売新聞社)
・毎索(毎日新聞社)
・雑誌記事索引集成データベース ざっさくプラス(皓星社)
・MagazinePlus(日外アソシエーツ)
・Web OYA-bunko 公立図書館版(大宅壮一文庫)
参考文献
転記用URL
https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/reference/search-detail.do?qesid=0010009482&lang=ja1/1




















