調査・質問内容

質問番号 0010009807
状態 受付済
質問日 2026/01/14

江戸時代初期、現在の東京駅の東にあった「中」のつく広小路の名称が知りたい。
また、以前特別文庫室で見た、その広小路が載っている、明暦の大火(1657年)以後の地図の名称を知りたい。

図書館からの回答

回答状態 公開済
公開日 2026/09/02
関連質問番号

江戸に関する事典類(資料1)や、江戸時代の地図に関する情報源(情報1、資料5)を調査したところ、お探しの広小路の名称は「中橋広小路」と思われます。
また、上記情報源や江戸時代の地図をまとめた資料(資料8)の記述をもとに、都立図書館蔵書検索を検索しました。特別文庫室でご覧になった地図として『築地八町堀日本橋南絵図』(資料2~3)、『文久再鐫八町堀霊岸島日本橋南之絵図』(資料6)、『新板江戸大絵図』(資料9)、『江戸大絵図』(資料10)、『江戸図正方鑑』(資料11)等が該当すると思われます。
以下、調査した内容をお知らせします。

資料1『江戸学事典』
「広小路」の項(p.19-21)に、広小路(「江戸市中につくられた広い道路」)の一つとして「中橋広小路」が記載されており、以下のような記述があります。
「中橋広小路は正保年間[1644-48]に中橋の西半分の堀が埋めたてられ、橋は撤去されて広小路になったという。のち安永三年(一七七四)には東側も埋めたてられ、ここも広小路になったが、のち町屋ができて中橋広小路町と称した。とくに明暦三年(一六五七)の大火後には、市中の各所に広小路が造成され、火除地としての役割が与えられた。」(p.19)

情報1「江戸マップ」(ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター)
http://codh.rois.ac.jp/edo-maps/
国立国会図書館が公開する「江戸切絵図」29枚から8,788ヶ所の地名を検索できるデータベースです。
「地名検索」を<中橋広小路>で検索すると、「[2-114] 中橋広小路」がヒットし、『築地八町堀日本橋南絵図』の画像上に該当部分が表示されます。
https://codh.rois.ac.jp/edo-maps/owariya/02/1849/2-114.html.ja
『築地八町堀日本橋南絵図』については、特別文庫室では2点(資料2、3)を所蔵しており、いずれも「TOKYOアーカイブ」(東京都立図書館)の以下のページで画像をご覧いただくことができます。
資料2:https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000013-00042251
資料3:https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000013-00042255
資料2(安永4(1775))には「中橋」、資料3(万延元(1860)改正)には「中橋廣小路」と記載されています。
なお、一般書として同名の復刻版切絵図も所蔵しています(資料4、嘉永2(1849)年改尾張屋板、国立国会図書館蔵版)。

資料5『新・江戸切絵図 嘉永・慶応』
「尾張屋」(金鱗堂)板江戸切絵図を紹介する資料で、現代の地図と比較することができます。
p.3「索引図」を参考に、p.30-31「二 6 八町堀霊岸嶋日本橋南之絵図」を参照しました。
文久3(1863)年再刻の『文久再鐫八町堀霊岸嶋日本橋南之絵図』が掲載されており、「中橋廣小路町」の名称を確認できます。
特別文庫室でも同年の『文久再鐫八町堀霊岸島日本橋南之絵図』(資料6)を所蔵しており、「TOKYOアーカイブ」(東京都立図書館)の以下のページで画像をご覧いただくことができます。
https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000013-00042248
なお、一般書として復刻版も所蔵しています(資料7、文久3(1863)年再刻尾張屋版、個人蔵)。

資料8『古板江戸図集成 第2巻』
巻末の「町名・地名索引」p.42に「中ばし(橋)広小路・中ハシヒロ小シ」が記載されており、「I 新板江戸大絵図(寛文図第一 寛文十年・一六七〇)」の該当部分(p.18)、「VI 江戸御大絵図(元禄三年・一六九〇)」の該当部分(p.139)、「VII 江戸図正方鑑(元禄六年・一六九三)」の該当部分(p.182)に導かれます。
特別文庫室でもそれぞれ同年の『新板江戸大絵図』(資料9)、『江戸大絵図』(資料10)、『江戸図正方鑑』(資料11)を所蔵しており、このうち資料9は「TOKYOアーカイブ」(東京都立図書館)の以下のページで画像をご覧いただくことができます。
資料9:https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000013-00042423
資料9には「中ばし廣小路」、資料10には「中橋廣小路」、資料11には「中ハシヒロ小シ」と記載されています。

このほか、特別文庫室では「日本橋」周辺の切絵図や江戸図を複数所蔵しています。特別文庫室の閲覧室に紙焼きがあり、閲覧していただくことができます。ただし、「中橋広小路」が載っているか通覧はしておりません。

以上、インターネット情報の最終確認日は2026年6月30日です。

参考文献

タイトル 注記
【資料1】江戸学事典 / 西山 松之助/[ほか]編集 / 弘文堂 / 1984.3 <RT/0・250/67/> p.19-21
【資料2】築地八町堀日本橋南絵図([吉文字屋板切絵図 8]) / 米山鼎峨書 / 吉文字屋次郎兵衛, 北畑氏 / 1775 </東0421/9/>
【資料3】築地八町堀日本橋南絵図([尾張屋板切絵図 6]) / 景山致恭編 / [金鱗堂]尾張屋清七 / 1860改正 </東0421/14/>
【資料4】築地八町堀日本橋南絵図(復刻江戸切絵図 2) / 景山致恭/編 / 岩橋美術 / 2004.7 <T/290.3/5210/2>
【資料5】新・江戸切絵図 嘉永・慶応(古地図ライブラリー 0) / 人文社 / 2010.9 </290.3/5365/2010> p.30-31
【資料6】文久再鐫八町堀霊岸島日本橋南之絵図([尾張屋板切絵図 6]) / 金鱗堂尾張屋清七 / 1863年:文久3[1863]再刻 </東0421/6/>
【資料7】八町堀霊岸嶋日本橋南之絵図(復刻江戸切絵図 32) / 岩橋美術 / 2007.1 <T/290.3/5210/32>
【資料8】古板江戸図集成 第2巻 / 古板江戸図集成刊行会/[編] / 中央公論美術出版 / 2001.5 <DRT/0・290/5026/2> p.18, 139, 182
【資料9】新板江戸大絵図 / 遠近道印(手書花押) / 経師屋加兵衛 / 1670年:寛文10[1670] </東A19/1/>
【資料10】江戸大絵図 / 林吉永 / 1690年:元禄3[1690] </東A23/13/>
【資料11】江戸図正方鑑 / 温清軒(花押) / 1693年:元禄6[1693] </東A23/6/>

転記用URL

https://catalog.library.metro.tokyo.lg.jp/winj/reference/search-detail.do?qesid=0010009807&lang=ja

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